002


※映画「ザ・ウォーカー」のあらすじ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
戦争によって文明が崩壊したアメリカ大陸。
“ウォーカー”(デンゼル・ワシントン)と呼ばれる男が、広大な大地を一人歩き続けていた。
バックパックには護身用の短刀とショットガン、そして世界に一冊だけ残されたある“本”を携えて。皮の表紙で覆われ、鍵のかかった分厚いその本に触れようとするものは、すべてウォーカーの手にかかって命を落としていく。
だが彼自身、その本を誰に、何のために届けるのか、一切の理由も目的も知らずに30年間、ただひたすら西へ向かって歩いていた。やがて、汚染されていない水脈を独占するカーネギー(ゲイリー・オールドマン)が独裁者として君臨する街を訪れるウォーカー。カーネギーもまた、ある本を必死に探していた。
その本に記された言葉だけが、真に人々の心を支配できるというのだ。ウォーカーが部下たちを一瞬にして倒したことを知ると、その腕前に興味を抱き、宿の提供を申し出るカーネギー。案内された屋敷にはカーネギーの盲目の情婦クローディア(ジェニファー・ビールス)とその娘ソラーラ(ミラ・クニス)が暮らしていた。ソラーラはウォーカーが本を持っていることに気付き、カーネギーに伝える。それこそ自分が捜し求める本に違いないと考えたカーネギーは、部下とともに立ち去ろうとしていたウォーカーを包囲。本を巡って両者の間で開始される銃撃戦。だが、ウォーカーは銃弾をかいくぐり、次々と敵を倒していく。なす術もなくカーネギーは負傷、ウォーカーも取り逃がしてしまう。歩き出したウォーカーの後を追うソラーラ。だが、2人は立ち寄った家で、追跡してきたカーネギー一味の襲撃を受ける。やむなく本を差し出すウォーカー。だが、その体を銃弾が貫く。本を奪われ、朦朧とする意識のまま最後の力を振り絞って歩き出すウォーカー。果たして彼は何のために歩き続けるのか……?カーネギーの手に渡った本はどうなるのか……?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

何かのご縁で、たまたま映画「ザ・ウォーカー」を見ました。
これから見ようと思う人には、ネタバレの部分もあるので飛ばしてもらいたいのですが、まぁ、感想としては随分と悪いジョークの映画を作ったものだと思いました。

何も知らない人が見たら、内容としては「北斗の拳の実写版みたい」で終わると思います、たぶん。確かに監督は、日本のアニメが好きな人だから、意識した可能性はありえます。

でも、知っている人からすると、このストーリーはちょっと露骨ですね。


改めてストーリーを簡単に説明すると、核戦争で滅んだ後の近未来の世界を描いた映画です。

その中で、主人公が世界に1冊だけ残された人間を支配できる特殊な本を持ち歩いており、それを悪者が狙ってるという恐ろしく単純なストーリーです。
登場人物も、基本的に主人公とヒロインらしき女の子、悪者のボスと子分しか出てこないほどシンプルです。

感の良い方は、お気づきだと思いますが、その特殊な本とは「聖書」のこと。
映画の中では、この「聖書」がきっかけで核戦争が起きて、世界も滅んだと出てきます。

これって、現実世界とまんま同じですね。

聖書の預言を信仰している悪魔教の信者の方々は、世界で『ゴク』と『マゴク』という2つの大国が戦争を起こし、人類の9割が死滅すると信じてます。というか、これを人工的に実現して、その後の世界で信者1人につき2800人の奴隷をつけて次の文明を支配したいだとか・・・。
彼らの設定では、『ゴク』はロシア・中国・イランで、『マゴク』はアメリカと西ヨーロッパらしいです。

この映画は「現実世界も核戦争で映画と同じように滅びますよ」ってメッセージでしょうか。

それもあるかもしれませんが、これにはもっと深い意味もありそうです。

この映画は、未来の話ではなく過去の話を再現しているような映画に感じました。

ネタバレになりますが、映画の最後は、結局、主人公が守りきった聖書が次の文明のために新しく残されるのですが、これは今の我々がいる文明の始まりとまったく一緒ですね。

核戦争と彗星の落下で滅んだ前文明のムー。文明を滅ぼしたのは闇の異星人の策略でした。

そして、次(今)の文明を完全に支配するために、闇の異星人達が1冊の本を作って、送り込んだのが同じく「聖書」。
そこには、暗号が組み込まれており、次の文明の脚本が書かれています。
やがて、自分達に洗脳された人間達に、その脚本通りに世の中を作って動かし、21世紀頃には完全に人類を支配するように指示しました。
指示されたのが、現在も闇の勢力として地球に存在している秘密結社の血統筋の方々。

「聖書」の真理を知っているのは、日本のオカルト、スピリチュアル好きの人々か、ハリウッドの予算の半分を出資している秘密結社の人々。

と、考えると「ザ・ウォーカー」は未来の予言でもあり、過去の再現でもある不思議な映画。まぁ、いずれにしろ悪いジョークです。

「2012」も笑えない映画ですが、それに継ぐ笑えない映画でした。

以上、一個人の感想です。今更ですが、普通に楽しんで見て下さい。
あと、自分がもう一人いたら絶対一緒に映画を見たくない人ですね。ロマンもへったくれもないです。