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2011年の東日本大震災から今年で5年。改めて“生きている”地球の上で“生きる”ことの厳しさを痛感することになった大震災でしたが、今回の震災が今までの自然災害と違って、多くの人々の意識転換をもたらすことになった“もう1つのきっかけ”は、何と言っても福島県における東京電力の原発事故です。

この原発事故をきっかけに、今まで知ってはいたけど関心がなかった原発や放射能のことを多くの人々が意識するようになり、その中で「原発は危険で邪魔だ」といって“怒りのエネルギー”を世の中にぶつける人もいれば、一方で「放射能は怖い」という“恐怖のエネルギー”に取り込まれてしまう人も出てきたりと、なかなか解決策も先行きも見えない現代社会に感情だけが振り回されてしまって、なんともやるせない気持ちでいる人も大勢いると思います。

「脱原発が出来れば良いと思うけど、まだ電気がないと生きていけないし・・・」

という“原発依存から抜け出したい”という気持ちはあっても、現実的には諦めざるを得ない状況のギャップの中でもがき苦しむ人も多くいるかもしれません。

ただ、諦めて何も考えずに何も行動しないでいても当然社会は何も変わりませんが、怒りのエネルギーをいくら投げかけても、恐怖のエネルギーでひたすら現実から逃げ惑っていても、自分の“外の世界”にだけ意識が向いている限りは2011年以前となんら変わらない現代社会が続くだけであり、本当に社会を変えるには、まずは自分自身の身近な生活で出来ることから変えていく「小さいけど大きな一歩」が必要です。

「原発反対!」と叫んで、ただ原発という存在と正面から対峙して戦っていくよりも、最終的に原発が必要のない社会を自分たちの手で作り上げてしまうことが大事であり、まずは「急がば回れ」で少しずつ電力会社に頼らないにライフスタイルを1人ひとりが実践し、底辺の日常からコツコツと民衆運動をやることで結果的に「戦わずして勝つ」となる戦略が、こらからの地球維新の時代にもピッタリだと思います。

「では電力会社に頼らないライフスタイルを実践するには、具体的にどうすれば良いのか?」

その疑問を解決するキーワードが「オフグリッド」です。

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「オフ(OFF)=切る」「グリッド(GRID)=送電網」

オフグリッドのオフは「切る」という意味で、グリッドは電力会社の「送電網(線)」のこと。

つまり電力会社からの電気を断ち切り、太陽光発電などを中心に自分たちの家で電力を自給するのが「オフグリッド」です。

近年、世界中で注目されているオフグリッドという言葉ですが、少しずつ日本でもオフグリッド生活を実践する人々が増えているようであり、まずは既存の電力会社の電気も利用しながら併用して自家発電も利用するパターンなどが広がっています。

ただ、その中で電柱も立てず、電線も引かず、いわゆる「完全なオフグリッド生活」を現実的に実現している家庭があり、それが最近はメディアなどでも話題となっている「サトウ夫妻」です。

先日、このサトウ夫妻のご自宅「サトウ家」にお邪魔する機会がありました。

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電線も引かれない「完全なオフグリッド生活」。どんな山奥で自給自足の生活をしている野性的なご自宅とご家族かと思っていたら、なんと場所は神奈川の横浜市内の戸塚区であり、奥様はフラワーエッセンスなどを利用する自然療法士でご主人は企業にお勤めする会社員であると・・・。

首都圏の郊外とはいえ、駅から徒歩圏内の住宅街の中にあり、そんな誰もが当たり前に現代生活を営んでいる都会の中で、サトウ夫妻は「完全なオフグリッド生活」を実現しています。

実際に訪れると、本当に敷地には電柱も電線もなく、その代わりにあるのは屋根についた8枚の太陽光パネルと再生鉛バッテリーなどが入っている家の裏にある小さな物置のみ。

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屋根の上でお日様に照らされた8枚の「太陽光パネル」で発電された電気は、そのまま屋根から壁伝いで地面に入っていき、物置脇の下から物置内へと繋がっています。

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そして、物置の中を開けると、そこには充電を制御する「充電コントローラー」と直流から交流に変える「インバーター」、そして下段には24本もある「再生鉛バッテリー」が入っています。

「太陽光パネル」
「再生鉛バッテリー」
「充電コントローラー」
「インバーター」


サトウさんは、これを「4種の神器」と呼んでいますが、この4つがあれば基本的にはオフグリッド生活を誰でも手軽に実現することができます。

サトウさんのご自宅では、屋根の上の太陽光パネル8枚で2kWhを発電し、再生鉛バッテリーで最大27kWhを蓄電して家中のすべての電気をまかなっているようです。

ご夫妻2人で生活しているサトウさんのご自宅の1日の消費電量は3kWhであり、これは日本の一般的な世帯(4人家族)の消費電量(10kWh)の約1/3であるそうです。

では、この1日の消費電量が3kWhというのはどういった電気生活なのでしょうか?

電灯はロウソクやランプ、洗濯機の代わりに洗濯板を使って洗濯、掃除機の代わりにほうきとチリトリで掃除、エアコンは使わず暖房は火を起こし、冷蔵庫もないので生ものは食べない、トイレはもちろん汲み取り式のボットン便所・・・。

そんな原始的な生活までとは言わず、これらのいくつかの便利さの犠牲は仕方ないと思いきや、サトウ家ではたくさんの照明(LED)があり、家電も洗濯機は乾燥機まで使用しており、掃除機、エアコン、大型の冷蔵庫どころかパソコンやプリンターなども普通に使っており、トイレも綺麗な水洗トイレです。

一般家庭にあってないのは電子レンジとテレビくらいで、これも電気量を消費するという理由よりは、サトウ家のライフスタイルに不要なものという意味もあるので、やり方を工夫すれば電子レンジやテレビも使えるオフグリッド生活もできると思います。

ただ、同時に全部を使用するのは難しいので、必要な時に必要な家電や電気をタイミング良く使うことや可能な限りの節電が必要ですが、それでも常時電気を消費する冷蔵庫のような家電もあり、冷蔵庫は消費電量の3kWhのうちの750Wh(0.7kWh)と、全体の約4分の1の電気を消費しているそうです。

そして、太陽光パネルが発電であるだけに、天候によって安定的に電気を確保できるとも限らないので、晴天が続く時は無尽蔵に溢れる電気を贅沢に使って活動的な生活をし、曇りや雨天が続く日は節電しながら大人しく生活をしたりと、天候によってライフスタイルが少し変化するのも、太陽光メインのオフグリッド生活の特徴かもしれません。

それを思うままに活動できないストレス生活と感じるか、お日様と共に生きる生活として楽しめるかは人それぞれであり、前者のような感覚が強い人には、オフグリッドはあまり向かないかもしれません。

ただ、単純に発電量と蓄電量を増やせば使用できる電気量も増えるので、事務所やお店、家族や家電が多いご家庭などは、太陽光パネルを増やしてバッテリーも増量すれば、電力不足を感じない生活も実現できます。

では、このオフグリッドを導入するには一体どれほどの費用がかかるのでしょうか?

基本的には前述した「4種の神器」とブレーカー、設計費や資材調達費などが必要コストであり、これらすべてを含んでサトウ家では220万円かかったそうです。

220万円で電力会社とお別れ、電気代の請求も永遠に来ないと考えると、それが安いか高いかも人それぞれですが、一昔前のオフグリッドに比べたら、この金額はかなり安価になっており、今はもっと安く導入できる可能性もあるようです。

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太陽光パネル(PanasonicのHIT240)充電コントローラー(INVERTEK社のSS-80CX MPPT)インバーター(INVERTEK社のDAI-3000L)などは市販に売られているものですが、エネルギー自給で大きなポイントとなるのが“蓄電”であり、サトウ家ではフォークリフトで使われていた中古の再生鉛バッテリーを24個利用しています。

中古の再生鉛バッテリーと聞いてもピンと来ないですし、なんだかすぐに使い物にならなくなってしまうイメージがありますが、確かに中古バッテリーは、普通に使っていたら電極にサビがついてすぐに寿命となってしまうようです。

ただ、サトウ家では、この再生鉛バッテリーのメンテナンスに通称「魔法の粉」と呼ぶアイテムを使っており、この粉をふりかけると電極のサビが綺麗に落ちてしまって新品のようになり、中古のバッテリーが10年以上も使えるようになるようです。

もちろん太陽からのエネルギーは無尽蔵ではありますが、人間が作った太陽光パネルも寿命があるので、いくらオフグリッド生活を始めたからといって長く維持するには定期的なメンテナス費用はかかります。

それでも数年後から10数年後には発電も蓄電も技術が大幅にアップすると思うので、近い将来には半永久に使えるシステムも出来上がることでしょう。

それを指をくわえて待っているよりは、まずは今の現実的な技術や既製品を使って誰にでも出来るオフグリッド生活を実践することが大切であり、サトウ家は、その先駆者として日本や世界のモデルとして活躍しています。2014年9月からオフグリッド生活を始め、これまでの1年半近くまったく問題なく実践を続けています。

ちなみに、サトウ家のオフグリッドの導入をお手伝いされたのは「自エネ組」というエネルギー自給を推進しているグループであり、導入にあたってのシステムの組み立て時間はたったの4時間で終わったようです。

このオフグリッドシステムは、新築の家ではもちろんどこでも誰でも導入可能ですし、前述した「 4種の神器」が揃って置けるスペースがあれば、建築後の家庭でも問題なく導入できるそうです。

ようは電線から来る電気の配線を太陽光パネルで自給した電気へと切り替えるだけなので、それほど難しい工事でもないようです。

地下資源という地球を犠牲にした地球の悲鳴から生まれる電気エネルギーから、太陽という自然から与えられる自然エネルギーに切り替えることは、単純に電気代が無料になるだけでなく、太陽を意識した太陽と共に生きる生活へと切り替わり、それに加えて電磁波問題をはじめ、そこへ住む人にもたらされる恩恵はお金に変えられないものが数多くあるそうです。

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オフグリッドによって「切られる」ものは、単に三次元的な送電網(グリッド)だけでなく、今まで人類の自立を阻害していた目に見えない「意識のグリッド」であり、エネルギー自給によって真の自立を手に入れた人々は、いかに今までが支配・洗脳によって不安と恐怖にまみれた世界にいたかがよく分かるようです。

「意識の解放」こそが、これから始まるオフグリッドブームの醍醐味となるかもしれません。

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ちなみに、エネルギー自給を実現しているサトウ家ではありますが、人間にとって生きるに欠かせない食の自給にもチャレンジしており、11畳ほどの家庭菜園で野菜を育てて自給自足をしています。

それも固定種を使って自然農の不耕起栽培です。

そして、調理もなるべくガスを使わない料理法を実践しており、これもまた太陽光の熱によって超簡単に加熱調理が出来る「ソーラークッカーエコ作」という商品を使っています。

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使い方は簡単、野菜や果物を小さく切ってエコ作の中に入れて太陽の日差しにかざしておくだけ。あとは放っておけば太陽熱で内部が高温となり、だんだんとシューシュー水蒸気が出てきて野菜が柔らかくなっています。

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調理も簡単ですが、何よりも太陽のエネルギーで調理された野菜は甘みと旨みが格別で本当に美味しいです。

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サトウ家は、奥様がお料理上手で、このエコ作を使って野菜と穀物の素晴らしいお料理も披露してくださりました。

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野菜だけでなく、味噌や醤油、酢なども手作りで作っており、一見都会で何の変哲もなく暮らしているようで、このサトウ家は田舎顔負けの自給自足生活のかなりの部分を成し遂げています。

オフグリッドは、何も原始的な生活に戻ることではなく、近代文明の良いところと古代の叡智を融合させることで人類を本当の意味で進化と解放へと導き、まさにサトウ家は近未来の理想的な人類のライフスタイルを無理なく実現しています。

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とにかく、この目で本当に電気の自給を無理なく完全に実現している家庭を見つけて未来に対する大きな希望が見えました。

別にフリーエネルギーや特別な技術や環境が必要なわけでなく、誰でもその気になればオフグリッド生活を実現できることがサトウ家の訪問ではっきりとわかりました。

「住居は電力会社と必ず契約しなければならない」

そんな思い込みをしている人もいるかもしれませんが、別に家を建てる時も、建てた後も電力会社と契約する義務はありません。

電気の自給さえ出来れば、いつでもお別れを告げることは可能なのです。

1件のオフグリッドが10件となり、100件となり1000件となり・・・こうしてエネルギー自給をする家庭が増えていくと、やがて送電網が地上から必要なくなり、原発の必要性もなくなってしまいます。

これが「戦わずして勝つ」という平成における地球維新をする戦略であり、底辺である民の日常から本格的に世の中を変えていくことができます。

新しい時代が始まった2016年。いよいよ支配からの切断、意識の解放と人類の自立が各方面で始まってきます。

古代のアマテラスの本当の意味は職業であり、鏡や磐座を使って太陽の光を使いこなす「天照」という集団が縄文時代は各地に存在して集落を作っていました。

サトウ家を支援しながらも、もちろん冬の晴天率日本一、日照時間日本一である八ヶ岳でも太陽光を使ったオフグリッド生活を実践&普及活動していこうと思います。

サトウ家でワークなどがあった場合はお知らせしますし、また八ヶ岳でもサトウさんをお招きしての講演会なども企画しますので、是非とも多くの方々にオフグリッドを知って頂けたらと思います。

▶︎ サトウさんのブログはこちら
http://ameblo.jp/green-note-page/