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この夏公開された最新作「君の名は。」は新海作品の魅力が随所に盛り込まれながらも、今までの作品をさらに超えていく魅力を持った、まさに一つの到達点とも言うべき作品です。そうした「君の名は。」の公開に際し、その魅力をより深く味わうことができる展覧会を新海誠監督の生まれ育った小海町にある小海町高原美術館で開催いたします。本展では、企画書や絵コンテ、設定資料などの展示を通じて、「君の名は。」の内容に迫ります。「君の名は。」の魅力をより強く感じられる機会となれば幸いです(小海町高原美術館の公式サイトから引用)

これで取り上げるのは3度目となりますが、勢いの止まらない空前の大ヒットアニメ映画「君の名は。」に関する話題。

すでに映画については多くの人々が観に行かれたと思いますが、こんな社会現象にもなっている映画の展示会が今、ここ八ヶ岳で開催されていることをご存知の方はまだまだ少ないと思います。

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場所は八ヶ岳の東麓である長野県南佐久郡小海町にある「小海町高原美術館」であり、10月23日からここで映画「君の名は。」の展示会が12月25日のクリスマスまで開催されています。

「なぜ長野県?それも小海町?」

その理由は冒頭でも書かれているとおり、この映画「君の名は。」の監督である新海誠さんの生まれ故郷がこの小海町であるからです。

実は、ここ小海町は単なる新海監督の生まれ故郷だからといって「君の名は。」ファンから話題となっているのではなく、どうやら映画の舞台背景とも大きく関係している場所のようです。

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インタヴューアー:「糸守町のモデルはあるんですか?」

新海監督:「糸守町は具体的な場所はないんですよ。飛騨地方がぼんやりしたモデルなんですけど糸守町はなんとなくみんながイメージする共通の田舎の風景ということにしたかったので、この町がモデルというのはありません。

ただ僕の出身の長野県小海町というのがあるんですけど、ふりかえると自分は小海町のイメージで風景を描いていた気がします。あるいは背景美術スタッフはそれぞれの田舎がある。田舎出身のスタッフはそれぞれの自分の原風景ってのを糸守にこめているんじゃないかと思います。集団制作の中で作り上げていった架空の町です。」

どうやら映画のヒロインの故郷となっている架空の町「糸守町」は、長野県の八ヶ岳麓にある小海町がモデルであり、登場人物の勅使河原克彦の親の建設会社は小海町の「新津組(新海監督の親の会社)」がモデルとなっているようです。

他にも映画の中に親沢地区という小海町の地域が出てくるだけでなく、小海町に実際に存在する「有坂電機製作所」という会社も映画の中に登場しているようです。


そして物語で重要なポイントとなる「糸守湖」の最初のモデルは、監督ご自身のTwitterでも伝えているように生まれ故郷の湖をイメージしたものであり、9月29日に放送されたNBS長野放送のインタビューの中でも、新海監督は「湖のあるまちということで最初にパッと考えたのは松原湖のことです。松原湖では少し小さいので大きくした」と語っています。

糸守湖の最初のモデルは、この小海町にある松原湖であり、そして最終的に諏訪湖がモデルとなったようです。

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そんな場所ともつゆ知らず、本日は八ヶ岳南麓からは車ですぐに小海町まで行けるので、この小海町高原美術館の展示会を見に行き、そのついでに紅葉が美しいので思わず松原湖に立ち寄っていたのでした。

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何気なく湖の畔を散歩していると「諏方神社」という神社があり、なんとここには諏訪湖にある諏訪大社と同じ「上社と下社」の2つの「諏方神社」が存在していました。

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驚くべきことに、ここも御柱祭をやっており、本家の諏訪大社に負けない立派な御柱が上社の裏にそびえ立っていました。

まさに諏訪湖のミニチュア版というか、諏訪湖の雛形とも言える松原湖。

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位置としても、八ヶ岳を挟んで諏訪湖の真東に存在しており、諏訪湖に比べたらとても小さな湖ですが、景色も美しく、場の雰囲気がとても良い隠れパワースポットのようにも感じます。

ところで、この映画での最重要のポイントとして「口噛み酒」があります。

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これはヒロインの三葉が、神社の娘であり、神事の中で巫女舞とともに口噛み酒を奉納する儀式のシーンが登場しますが、このモデルとなっている神社がどこなのかが話題となっていました。

そんな矢先に長野県佐久市の栁田市長が、ここ佐久市にそのモデルとなる神社が存在すると主張しました。


その名も、監督の名前と一緒の「新海三社神社」です。

実際、新海監督は佐久市の野沢北高校出身であり、この神社から「新海」の名前もつけたものだと言われています。

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この新海三社神社では、浦安の舞という巫女舞が伝統として残されており、その衣装などもまた映画に出てくる巫女舞と似ているとされています。

果たして佐久市長が言っているように、この神社に口噛み酒の神事が残っているのか真実は不明ですが、新海監督がこの神社にかなり影響を受けているのは間違いないように思えます。


この新海三社神社には、御魂代石と呼ばれる神の宿る石があり、これには水龍が刻まれていて、諏訪湖の波の音を発すると市長は伝えています。

そして水龍をあらわす漢字として「瀧」があり、これが主人公の名前とも繋がっていると。

水の龍ということで、この神社はセオリツヒメとも関係しているとも言われており、様々な意味でも今の時代にとても重要な神社であるような気もします。

映画が公開されて3ヶ月以上が経ち、様々なことが明らかになりつつありますが、ここに来て映画の舞台の町や景色のモデルが八ヶ岳山麓であり、さらにスイフト・タットル彗星のこと、枚方の隕石落下の歴史が組み込まれ、そして男女2人の融合が、イエス・キリストとマグダラのマリア、もしくはニギハヤヒとセオリツヒメとも関係している壮大なストーリーであることがわかりつつあります。

松原湖は諏訪湖の雛形であり、諏訪湖はイスラエルのガリラヤ湖の雛形とも言われています。

果たしてこれが狙って作られたものなのか、インスピレーションとして降りてきたものなのかわかりませんが、まだまだ奥深い謎が多く隠されていそうです。

まずはともあれ、映画ファンの方は是非とも八ヶ岳と小海町を訪れてみてください。

キリスト生誕を祝うクリスマスまで展示会は開催されています。

ちなみに美術館に隣接して「八峰(やっほー)の湯」という温泉があり、ここの源泉はとても良いお湯なのでついでに温泉もどうぞ。

「やっほー」は、ヘブライ語の「神様(ヤハウェ)」が訛ったものとも言われており、ここもまた古代ユダヤと関係が深い場所なのかもしれません。