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昨日は、首都圏で「オフグリッド生活」を営む“サトウ家”を訪問。

「オフ(OFF)=切る」「グリッド(GRID)=送電網」

最近は耳にする機会も増えたかもしれませんが、電力会社からの電気を断ち切り、太陽光発電などを中心に自分たちの家で電力を自給するのが「オフグリッド」です。

以前に《戦わずして勝つ「オフグリッド」によるエネルギー自給と意識の解放》という記事でサトウ家のオフグリッドはご紹介させて頂きました。

ご覧のとおり、サトウ家の敷地近辺には電信柱がなく、敷地の中にも電線が引かれていません。

屋根の上にある8枚の太陽光パネルが電気の源であり、あとは電力会社とは一切契約もせず、もちろん料金の支払いも1円もせずに、すでに首都圏で2年半ほど普通の生活を営んでいます。

「電気の自給自足」

そう聞くと、どこか質素な暮らし、ロウソクを灯したり、冷暖房も使えないような電気貧乏のような生活をイメージするかもしれませんが、サトウ家では普通に40Aのブレーカを使い、照明から家電まで、一般的な電気生活に必要なものはすべて揃って、まったく問題なく使えています。

むしろ、それらがすべてタダなので、電気貧乏どころか電気富豪であり、何かしらの事故や災害による停電の恐れもなく、何よりも生きて行くのに必要なインフラの中心である電気自給ができることは、生きることへの安心感、お金への依存や恐怖感を解き放つものであり、人生の大きな意味では普通の生活以上に大変豊かな生活をしています。

《ドームハウスもオフグリッドに向けて》

今回、サトウ家を1年ぶりに急遽訪れたのは、上記の記事にもあるように、先月に突然ドームハウスが停電となったためです。

たまたま「今年は電気も自給してオフグリッドにしようか」と話をしていた矢先に「バチンッ」とブレーカが落ちての停電だったので、これには大きなメッセージを感じ、急いでサトウ家に連絡して再度見学させて頂く機会を頂いたのでした。

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前回の訪問から1年以上も経っていたので、サトウ家のオフグリッド化は、またさらに進化しておりました。

これは、昨年の秋から導入したという「太陽熱温水器」

これによって給湯(ガス)の自給も可能となり、お風呂も体に優しく芯まで温まる太陽風呂が実現するようです。

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さらにサトウ家では、太陽熱調理器「エコ作」をフル稼働しているので、キッチンのガスコンロを使わずともほとんどの料理ができて、毎月のガス代もほとんどかかっていないようです。

【エコ作500 太陽熱調理器】

それも太陽熱の料理は、ほんとうにおいしくエネルギッシュで絶品です。

これにて、サトウ家では首都圏にいながらも水以外は、ほぼすべて自給完了。

水も「空気から水を作る装置」が間もなく完成すれば、もはや生活インフラでは困ることはありません。

お庭で家庭菜園もして備蓄もいろいろされているので、何があっても一定期間は生活に困ることはなさそうですね。

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「太陽光パネル」
「再生鉛バッテリー」
「充電コントローラー」
「インバーター」


オフグリッドを実現するには、この4つ製品とブレーカ、設計費や資材調達費などが必要コストであり、これらすべてを含んでサトウ家では220万円かかったそうです。

ただし、今はもっとお手頃にバージョンアップしたオフグリッドが実現可能なようで、コストも200万円を切るようです。

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「自エネ組」

サトウ家のオフグリッド化を手がけたのは、全国でオフグリッドを推進している「自エネ組」というグループ。

マンションなどは厳しいと思いますが、一戸建てで太陽光パネルやバッテリーなどが収納できるスペースがあれば、基本的には首都圏でも地方でもどこでもオフグリッド化は可能なので、ご興味のある方は是非とも一度ご相談されてみてください。

今まで通り、電力会社の電気を引きながら、日々の生活の中で必要に応じてオフグリッドにすることも可能です。

もちろん初期費用はある程度かかりますが、やろうと思えば、誰でもやれるのがオフグリッド

誰でも簡単にできることを知ったら、次はその一歩を踏み出す勇気が必要です。

サトウ家は、先駆者としてこの一歩を踏み出し、そして実践を通して継続性を証明するだけでなく、何よりもその生活を心から幸せに楽しんでいることが素晴らしいと思います。

オフグリッドは実現できても、その生活が楽しそうでない、何か無理している様子であれば、後に続こうとする人もいません。

サトウ家の姿を見ていると、次の未来の光景がありありと見えてきます。

水と食料の自給体制は整ってきている八ヶ岳は、次はエネルギー自給に向けて動き出そうと思います。