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入学・入社の新年度スタートの4月に入り、昨日から八ヶ岳ピースファーム主催の自給農園講座もスタートしました。

4月1日の八ヶ岳は、まさかのエイプリルフールのような大雪に見舞われて、農場での講座ができなくなってしまい、急遽場所を移動して、やつはドームハウスにて講座を開催。

思わぬハプニングでありながらも、しんしんと降り注ぐ雪の静かなドームハウスも体験して頂き、とてもまったりと充実した時間であったと思います。

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講座の中で、まず学ぶことは、具体的な農業技術云々よりも自然界にある循環の仕組み。

火山の噴火によって大地が生まれ、その無垢な大地に苔などが繁殖し、そこから小さな草花が誕生して、やがて木が生えて成長し、林になり森となって自然は豊かになっていきますが、農業は基本的には、この出来上がった自然を開墾という名の自然破壊をしています。

一般的に「農薬や化学肥料を使う慣行農業は自然破壊で自然農は環境に優しい」という認識もありますが、人が大地に介入することは自然への負荷の大小はあっても、基本的には自然破壊となります。

そのため、田畑をしないで放置された耕作放棄地と呼ばれる土地は、人間が手をかけないとすぐに雑草が大量に生い茂るようになり、長い年月を経ると、やがて木も生え始めて林や森に戻っていきます。

日本で今大きな問題となっている耕作放棄地の増加は、人間の目線から見れば自給率の低下という危機ですが、地球の目線から見れば、人間によって破壊された大地を再生するチャンスであり、必ずしも耕作放棄地の増加は大きな問題であるとは限りません。

自然破壊というと、商業施設や住宅地として山を壊し、木々を伐採するイメージがありますが、農地を作るのも自然破壊であり、さらに現代の日本は99%以上が、農薬と化学肥料による慣行農業であるため、これに追い打ちをかけるような自然破壊を長い年月してきました。

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もちろん縄文時代から農業は人が生きるための生活の一部として営まれていたわけですが、古代人になればなるほど、この自然の循環の仕組み、自然に生かされて農業も成り立つことも理解していました。

山を大切にすることが、結果的に自分たちのいる里の土壌も豊かにし、自然の一部を利用させて頂いていることに、常に感謝の意識や想い、祈りを忘れないようにしていました。

ところが文明の発達とともに、最終的には農薬や化学肥料が登場し、山を整備しなくとも、短期間で作物が育ちやすい土壌を作ることができ、その頃から自然界と農業の分離、人間都合の食料生産がはじまって、人口の増加とともに拍車がかかり、農業における自然破壊は地球にとって大きな問題となっていきました。

農薬や除草剤によって、本来その土地に必要で存在していた植物や虫も消え、大地は汚染され、栄養価もない形だけ大きな作物が育ち、一方で山や周囲の自然環境は荒れてしまい、さらに農薬・化学肥料による農作物を食べることで、人々の健康も害される悪循環が起こっています。

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日本の農家人口は、21世紀に入って一段と減少しており、その一方で農業従事者の中で65歳以上が占める割合は年々上昇しています。

農家の人口は、昨年についに200万人を切ってしまい、その中で65歳以上の割合は65%以上ともなり、ますます少子高齢化社会の影響が強まるこの先は、この流れに歯止めがからないと思います。

今までと同じように専業農家を増やそうとしても、いまさら限界があり、また仮に多くの人々が農家に転身して農業人口が増えたとしても、これまでと同じ自然破壊型の農業を続けるのであれば、それはそれで文明としては発展しない旧時代の負の流れを引き継ぐだけになります。

そのため、この農業・食料危機は逆に自然にも人類にとってもチャンスとして捉え、お金の世界から農業を一旦は切り離し、1人ひとりが食の自給を生活の一部として取り入れる家庭菜園をもっと一般化させることが重要だと思っています。

今、住んでいる敷地の中であれば大きな自然破壊、大地の負荷にもならず、また必要な分だけ生産して余らせないことも重要だと思います。

現代は製造業に限らず、農業も大量生産・大量廃棄であり、自給率云々の前に食べ物も必要以上に作りすぎている部分もあります。

おそらく未来型の農業は、自然破壊型である屋外の農業ではなく、室内栽培のテクノロジーが大幅に進んで、屋内栽培、家の中での農業、都会のビルや工場での食の生産が主流にもなってくると思います。

そうすると、限られた狭いスペースでも、人類にとって必要な分の食料生産が効率よくできるようになり、今まで開発してきた農地の多くを地球に還しても、人は飢えることなく、人も自然も豊かに共存できるようになります。

これには、室内栽培の技術だけでなく、エネルギー革命が大きなポイントになってくることでしょう。

とはいえ、それはまだ先の話であり、今は食や農業に関する様々な問題を解消する一歩として、誰でもお手軽にできる家庭菜園の普及を進めていくことが大事だと思っています。

2017年度の農業講座はすでに定員となっていますが、今後は単発で農業体験などができるイベントも企画しようと思うので、是非ともご興味のある方は、そういった機会にご参加いただけたらと思います。